*当院は感染症サーベイランス事業(小児科定点)に協力し、毎週報告を行っています。
当院における感染症情報2026年第17週(令和8年4月20日~4月26日)をお知らせいたします。
当院患者数/郡山市患者数(感染症発生動向調査)です。

| 前週 | 第17週 | |
| インフルエンザ | 2/14名 A型0 B型2 臨床診断0 | 2/-名 A型 0 B型2 臨床診断0 |
| 新型コロナ | 0/10 | 1/- |
| 急性呼吸器感染症 | 169/471 | 173/- |
| RSウイルス感染症 | 0/4 | 0/- |
| 咽頭結膜熱 | 1/1 | 0/- |
| A群溶連菌感染症 | 0/13 | 2/- |
| 感染性胃腸炎 | 10/31 | 20/- |
| 水痘 | 1/3 | 3/- |
| 手足口病 | 0/0 | 0/- |
| 伝染性紅斑 | 0/0 | 0/- |
| 突発性発疹 | 0/0 | 0/- |
| ヘルパンギーナ | 0/0 | 0/- |
| 流行性耳下腺炎 | 0/0 | 0/- |
「麻疹流行について」(2026年4月時点)
福島県内では報告はありませんが、各地で麻しんの発生報告数が増加しております。このため、予防接種のより積極的な推進が必要です。麻しん、いわゆる「はしか」は、感染力が非常に強く、先進国でも1,000人に1人が死亡するといわれ、注意が必要な感染症です。
日本では、2015年にWHOにより麻しんの排除認定を受けていますが、近年、諸外国で麻しんの流行が報告される中、2026年1月からの国内の発生報告数は、4月21日まで299例であり、2020年以降最多となっています。
海外においても麻しんの流行が確認されており、日本と同様に麻しんの排除認定国であった英国やカナダ、スペイン、オーストリア等では、排除認定が取り消されています。英国やカナダにおいては、麻しん含有ワクチンの接種率も低下している状況です。
厚生労働省では、3月31日付けで予防接種のより積極的な推進等を周知したほか、国立健康危機管理研究機構(JIHS)にて作成された医療機関向けのリーフレットを、厚生労働省のウェブサイトにて公表しています。
具体的には、予防接種のより積極的な推進として、以下の内容について周知しています。
●お子様が、麻しん・風しんワクチンの定期接種の対象である1歳または就学前1年間にある場合や、成人でもご自身のワクチン接種歴がわからない場合には、接種をご検討いただくこと(6か月~1歳未満のお子様も自費での接種は可能です。)
麻しんを疑う症状がある場合は、外出を控え、
・受診の際は必ず、事前に電話にて医療機関に連絡(症状、接触歴、海外渡航歴、麻疹のワクチン歴等)してその指示に従うこと
・医療機関を受診する際は、公共交通機関の利用を可能な限り避けていただくことをお守りください。
現在の海外の流行地です。 世界の麻疹流行状況2026_1 帰国後には十分注意しましょう。
【特にご注意いただきたい方々】
○特に以下の方々は、接種が不十分な場合、ワクチンの接種をご検討ください。
・保育園・学校職員、医療機関職員など小さいお子さんと接触する機会の多い方。
・空港職員、観光業スタッフなど渡航者と接触する機会の多い方。
○以下の方々は罹患すると重症化すると言われていますのでご注意ください。
・妊娠中は麻しん・風しんのワクチンの接種はできません。早産や流産のリスクがあるため、妊娠前の接種をご検討下さい。
・免疫不全のある方は、主治医と相談のうえ、麻しん・風しんワクチンの接種をご検討ください。
・乳幼児は、肺炎や脳炎を起こすリスクがありますので、ご家族の接種歴をご確認ください。
ゴールデンウィークや夏休みなどの長期休暇前には早期のワクチン接種をご検討ください。(免疫ができるまで2週間程度かかります。)なお、当院では麻疹風しん混合ワクチンにて接種を行っております。(風疹の免疫がある方でも接種可能です。)ワクチンについて詳しく知りたい方は024-947-5377までお電話ください。
「RSウイルス感染症」は主に寒い時期の9月~4月に流行しますが、最近では、夏にも流行が見られるようになってきました。有効な治療薬がなく特に6ヵ月未満の乳児や心臓病を持っている乳幼児で重症化しやすく、入院が必要になることもありますので注意しましょう。鼻汁からの検査キットで診断できますが、保険による検査は1歳まで(心臓病などを除く)となっています。それ以上の年齢では軽症のことが多いため入院が必要になる時のみ行います。当院では2歳未満は重症となる方もいますので、症状がおもい方では当院負担で検査を行っています。他人への感染期間 が約1ヶ月と長く、また、何度でも繰り返し感染して、3歳未満でほぼ全員がかかってしまうといわれています。しかし、だんだん軽くなり、年長児では軽い風邪症状のことが多くなります。隔離の明確な基準はなく、咳が落ち着くまでとなっています。多くは1~2週間程度のことが多いようです。鼻汁の吸引や吸入が有効なことが多いので鼻水もこまめに吸ってあげましょう。ひどい場合は毎日、吸入に通院してもらいます。不眠や呼吸困難、無呼吸、哺乳不能などの場合、入院して治療します。2026年4月から妊婦さんに免疫をつけて生まれてくる赤ちゃんに胎盤を通して免疫をつけようというワクチン(市販名アブリスボ)が定期接種となりました。自己負担はありませんので、ぜひ、ご検討ください。(福島県内にお住まいで、兄弟が当院のかかりつけであれば、窓口負担なく、当院で接種可能です。詳しくはお問い合わせください。)
感染症動向調査にはありませんが、「ヒトメタニューモウイルス感染症」もRSウイルスとほぼ、同じような症状を呈します。最近、6歳未満で肺炎が強く、疑われた場合、検査キットで診断できるようになってきました。主に、5月頃を中心に流行が見られますが、同様に、有効な薬剤はありません。
「咽頭結膜熱」はアデノウイルスが原因です。夏、プールの水を介してもうつるので、プール熱ともいわれています。その名の通り、のどが赤くなり、眼が結膜炎になり、高熱が出ます。発熱は2~5日程度続くことが多いのですが、有効な薬がありません。水分・電解質を補給し、安静にしましょう。集団生活は熱など症状が落ち着いてから2日間お休みが必要となります。
「感染性胃腸炎」のうち「ウイルス性の胃腸炎」(ノロ、ロタ、アデノウイルスなど)には有効な薬がありません。おう吐の強い初期は水分を少しずつ与え、脱水に気をつけましょう。感染力が非常に強いので注意しましょう。なお、便が正常になっても1ヶ月程度便中にウイルスが出続けるため明確な隔離の基準はありませんが、症状の強い場合は集団生活を避け、しばらく手洗いには気をつけましょう。乳幼児で重症化しやすいロタウイルスにはワクチンがあり、郡山市では12,000円助成され、自己負担は合計15,000円となります。(助成なしの場合、27,000円)流行をくりかえしています。
血便、腹痛、発熱など症状がひどいときには「細菌性胃腸炎」のこともあります。早めに受診しましょう。
「風疹」は妊娠中にかかると奇形児(先天性風疹症候群)が生まれることもありますので成人で免疫の無い方もワクチンを受けておきましょう。(助成制度がありますので対象と思われる方は受付にお尋ねください。)
「溶連菌感染症」は通年性で流行が見られています。リウマチ熱や急性腎炎を引き起こすことがあり、再発も多いため、約10日間の抗生剤の服用が必要です。特に、2週間後から1ヵ月後にかけて腎炎が起きやすいため注意が必要です。
「水痘」には有効な薬があります。接触後3日以内の場合、ワクチンで発症を予防できますので、主治医にご相談ください。また、ワクチンは2回受けるとかからずに済みます(かかっても軽く済む)ので対象の方は早めに接種しましょう。定期接種(1~3歳未満)の時期を過ぎてもワクチンは可能です。この場合、自費となりますが、受付までお問い合わせください。
「手足口病」は、主に手、足、口、肛門周囲に小さな水疱ができますが、最近は、体にも見られることがあります。2日間ほど発熱がみられる事が多く、発熱と同時か少し遅れてから発疹が見られます。有効な薬はありませんが、1週間程で自然に治ります。1ヶ月ほど感染することが知られており、隔離は現実には難しいため実際には症状のひどい時期だけ自宅療養することになります。口内炎がひどい時期はなるべくやわらかいしみない食べ物を与えたり、水分、電解質もこまめに飲ませてください。まれに髄膜炎や脳炎、心筋炎などの重篤な合併症が見られますので気をつけましょう。今シーズンは2~3種類のウイルスによる流行が見られているようですので2~3回かかってしまうことが多いようです。最近の手足口病は水疱の出現が多く、治癒後に手足の皮がむけたり、爪が割れたりする場合があります。いずれも、保湿や保護をして自然に治るのを待つようになります。
「ヘルパンギーナ」は、のど(口内)に水疱が出来ます。手足口病と同じタイプのウイルスが原因です。手足口病と同じ注意をしてください。症状が治まれば(解熱して、食欲があれば)、登園・登校可能です。
「伝染性紅斑」はほっぺが赤くなるため「リンゴ病」と言われていますが、腕や足にも紅斑が出来ます。なお、顔が赤くなった時にはうつらなくなっているため、隔離の必要はありません。効く薬はありませんが、1週間程で自然に治ります。ただし、顔や体が暖まる機会が多いとひどくなったり、長引きますので気をつけましょう。成人ではひどくなることがあり、特に、妊婦さんでは流早産の原因となりますので注意が必要です。
「おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)」は、合併症の髄膜炎、難聴、膵炎、思春期以降での不妊症(睾丸炎、卵巣炎)に注意が必要です。ワクチンがありますので、検討しましょう。郡山市ではおたふくかぜワクチンは自費ですが、費用の一部助成(1回目のみ)があります。できれば2回接種すると安心です。
咳が続く場合、百日咳、マイコプラズマに注意しましょう。
「マイコプラズマ」は4年に1度オリンピックの年に流行が見られ、肺炎などを起こします。年長~学童期以降で多く見られますのでご注意下さい。当院では高感度のマイコプラズマ抗原検査装置を導入して、迅速に診断、治療を行っています。
「百日咳」は小さい頃のワクチンの免疫が落ちてきた小学生高学年~成人で流行し、4種混合ワクチンの接種が済んでいない乳児に感染して重症化する事が知られています。現在、小学生以上でのワクチンの追加接種が検討されています。2018年、全数報告となりました。2025年は小・中・高校生を中心に大流行がありました。
「日本脳炎」は、日本脳炎ウイルス(フラビウイルス科)が原因ですが、主にコガタアカイエカ(名前はコガタですが水田のそばに多く、昼間、家の壁に止まっている比較的大きな手足の長い蚊です。)によってうつり、人に重篤な急性脳炎をおこします。
ウイルスは極東から東南アジア、南アジアにかけて広く分布しており、日本では東北地方までは確認されています。
感染経路は、豚の体内で増えたウイルスを蚊が吸血し、その蚊が人を刺して感染します。人から人への感染はありません。実際は感染してもほとんどの人は軽い上気道感染で終わり、100人から1000人に1人が脳炎になると言われています。
潜伏期間は6から16日間とされています。
症状は数日間の高熱、頭痛、嘔吐などで発症し、急に、項部硬直、光線過敏、意識障害、神経障害を生じます。
治療は特異的に効く薬剤はありませんので、対症療法のみとなります。
生命予後は死亡率は約15%で、幼小児や老人では危険です。神経の後遺症が45から70%で起こります。
「ADEM(急性散在性脳脊髄炎)」とは、ウイルス感染やワクチン接種後4から21日後に、アレルギーなどの免疫が関係して、複数の場所に脱髄性の脳脊髄炎を起こす病気です。
症状としては、頭痛、発熱、悪心、嘔吐、意識障害、精神症状、、けいれんなどを主体とする脳炎型と、対麻痺(両下肢麻痺)、分節性感覚障害、排尿障害などを主体とする脊髄炎型があり、末梢神経障害を呈することもあります。
ウイルス感染では、麻しんに多く、水痘、流行性耳下腺炎、インフルエンザ感染後にも見られることがあります。日本脳炎ワクチン後では約100万人に一人に見られるといわれています。
治療には、副腎皮質ステロイドが用いられ、予後は比較的良好と言われていますが、神経後遺症が約10%に見られます。




